第31話

「返して。」



「んえ~、また食事の後に返しますよ。」



鉄君はそう言って、私の携帯をまた自分のポケットにしまった。



……次は胸ポケットだったけど。



ポケットには変わりないな~、と呆れつつも私は座っていた場所にもう一度座った時にスリスリとある物体がすり寄ってきた。



私はその物体をスルーして、食事を再開する。




「ねえ、真野~。」



ああ、もう何でこの人は今日に限ってこんなに仕事が早く終わってるんでしょうか?



「……」



「久しぶりだね。最近、メールが来ないから父さん寂しいよ。」



「……」



「それに、最近メール入れたのに送れなかったんだけど、どうしてかな?」



そう言われて、私はハッと気が付いた。

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