第96話

「あ。」



静かなフロアの中、先頭を歩いていた徠はそう言葉を上げた。



「どうした?」



その後ろを歩いていた乃威は、その言葉に答えるように告げる。



他の人たちも徠のその言葉にどうしたのか気になり、耳を傾ける。



「俺、タオル忘れて来たわ。ちょっと取りに行ってくる。」



隣にいた薺に少しだけ笑いかけた後、徠は自分の部屋のある2階にへと急ぐ。




「ったく、ちゃんと確認してから来いよ。」



達沙はそう言って、飽きれながらも徠の背中を見つめる。



「ね、ねえ。」



しかし、玲衣だけは徠を見て、珍しく焦っているようである。



「?どしたの?玲衣様?」



疑問だらけの朱希に、玲衣は心配そうに呟いた。

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