第55話

や、やめよう。



彼を睨むのは、やめておこう。



とうんうんと自分に言い聞かせるように頷いていると、朱希君が次にニコニコとした笑顔で言う。






「おすすめはねえ~、毎朝1リットル飲んだらいいと思うよ。」




え、牛乳の話?



それは気にかけてくれるのは嬉しいんだけどねえ。



……君の隣を見てください!



今すぐ、見てください!




玲衣さん!



玲衣さんが笑ってない!



正しく言うと、顔は笑ってるんだけど………目が笑っていらっしゃらないんだよ!



『そんな話は後でも出来んだから、さっさと話前進めろや。』



的な顔でこっち見てるんですよ!!



分かって!



この痛い程の視線に気づいて!




と願っても、彼がオレに気づくはずもなかった。




「僕もね~、毎日牛乳いっぱい飲んでるんだよお!」



と手を大きく広げて満面の笑顔でオレに話してくれる。



うん、可愛いよ。



可愛いのは認めるよ。



だから、……お願いだから、オレをこれ以上惨めな気持ちにさせないでください!

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