第3話

と、そんな矢先に───









スッ…────



「おい、そんな所にいると風邪引くぞ。」



黒の傘を私に差し出してくれたその人。



私の求めていた彼だったのだ。






「あ…カラスさん。」



気力をなくしたように、グッタリとしている私にカラスさんは溜息をついた。






「ここには来るなっつっただろうが。何故来た?」



拒まれるのを承知で、彼に会いに来たのだが…弱っている時にそんな事を言われるとなかなかキツい。





私は雨で濡れていたので、どれが雫でどれが涙かは分からなかったけれど、目から零れてきたものがしょっぱかったのでこれが涙だと分かった。




泣いてるんだ…私。





「───…っ!!」



「お、おいっ!!」



私は何がなんだか分からずに、ただ彼にしがみつくように抱き付いた。

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