第106話

しかしそんな協の声が彼に届くはずもない。



既に時は進み始めているのだ。






「お前はお前のやるべきことをすればいい。」



「俺はアンタも救ってやりたいんですよ、正直。」



「俺を救うだあ?ナマ言ってんじゃねえ。クソガキに救われるほど、落ちぶれちゃいねえよ。」



蘭勝はそれだけ言って、扉の前まで歩く。



その扉を開いて、協に出るように顎で指示を出した。



協はそれに逆らうこともできず彼を睨んでから、その部屋から一歩出た。



それを確認してから蘭勝は最後一言だけ、ポツリと“本音”を口にする。







「俺も、大稀が何考えてんのか全て理解してるわけじゃねえよ。」



「………え?」

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