第57話

帝は普通だった。

「お前なにしに来た。てかおせーんだよ。バカ」

腹が立つくらいに。

「帝に言いたいことがあって。

私、銀狼とのとき帝がアジト突き止めて助けてくれたの嬉しかった。でも刺されて病院で目が覚めない帝を見て

私のせいだって思って逃げた。ごめん。

そんなこと思うなら余計側にいるべきだったのに。」

「そうだぞ。俺、夏菜の事を助けに行ったはずだったのに

あんなざまだし、目が覚めたらいないし。話に聞いたら

引き止めたり声掛けたけど夏菜の耳に入ってなかったってな。まぁ、いいさ。誰も夏菜のこと責めてるわけじゃないからお前らしいなって思うけどな、もう少し俺らを

頼ってくれてもよかったんだ。お前は一人じゃなかったんだから。仲間がいたんだから。」

笑顔で言ってくれる帝もまた変わってなかった。

いつもは荒い言葉使いだけど仲間には優しいところ。

そんなことを思いながら私は帝の目の前で時間を忘れるくらいに泣いてしまった。

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