第120話
「真護さん。」
私は彼の目の前まで歩いて行って、彼の両手を握ってあげる。
「紗綾。」
砦はそれに納得していなかったようだけど、少し睨んで彼を黙らせる。
砦はそれでも納得しているようには見えなかったが、溜息を吐いて諦めてくれた。
それをこの目で確認してから、さらに真護さんの方にへと向き直る。
「真護さん。私も、真護さんのこと好きですよ。」
「……ん。」
「でも、真護さんの好きと私の好きは少し違うんです。」
「ん。」
「……こんなに優しくて、私のことを大切にしてくれた真護さんを選ばないなんてきっと私は馬鹿なのかもしれませんが―――…私には一人しかいないんです。」
「………。」
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