第59話

「……『誰がために、何がために』か。」



「何っすか、それ?」



運転をしていた逸樹が蘭勝の呟いたその言葉に疑問を持ったらしい。



聞いたことがないそれを主が呟いたとなれば、気にならないわけがないが。





「んーだと、思う?」



「……どっかの本に載ってた名言とかっすか?」



有り得ない話でもないと内心蘭勝の心の中で思っていたが、蘭勝は普段から本などは読まない。



というか、読めない。




―――…文字が続くと、不思議と数分後には夢の世界に飛び立っているのだ。





「俺は本は読まねえ。」



「……読めないの間違いでは?」



「ぶっ飛ばすぞ、逸樹。」



「すいやせんでした。」

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