第6話
「なら、鍵は亮が貰えよ。並木が持ってる鍵もだ。立ち位置の確認はやるが、それ以外の練習はしない。引継ぎ式が終わったら、すぐに終業式が始まるからな」
悟さんは、それだけ言うともう用はないのか立った。
「悟さん。帰りますか?」
「あぁ。もう用はないからな」
そう言って悟さんは出て行った。
「んじゃぁ、俺も行くか………」
「亜紀?」
亜紀も部屋から出て行った。
「ヒサ君。なんか、不機嫌だねぇ」
そうね。
「亮君。透君は?」
「さぁ?朝から見てない。たまにいなくなるから。透は、跡取りだから。家の仕事もしてるし」
「そう………」
「凛さん。風間はどうなってるの?まだ、在籍だけど」
「えっ?学園に在籍?」
「知らない?まだ、学園の生徒だよ」
初耳だ。
そんなの、亜紀から聞いてない。
「俺も行くね。考えないと」
「うん。気を付けてね」
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