第46話

「なんであんたにそんな事っ」


「あんたじゃなくて、ヒカルなんだけど」



知ってるわ!

でも、あんたはあんたで充分だから。




「もういい、私が席移動する」



ヒカルに向かってキツくそう言って、私は乱暴にイスから立ち上がった。


そしてカバンを手に取ろうとした時、




「なっちゃんって、可愛い声出すよね」




ヒカルが意味の分からない事を言ってくる。



「はあ?どこが」



机に頬杖をしながら、ヒカルは立ち上がっている私を獣のように、見上げてきた。




「え?言ってる意味分かんないの?」


「はあ?」


「俺の部屋、あいつの隣なのに」




そりゃ、兄弟なんだから。

同じ家で、隣の部屋っていうのは当たり前じゃないの?

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