第44話

火曜日のルイを待っている時間の図書室の中は、あまり生徒が少ない。


あまりっていうか、私だけの時もある。



今日はその日、らしく。

私は机の上に鞄を置き、今日は何の本を読もうかなって、ワクワクしながら本棚へ向かう。




ルイをもう困らせないようにと、窓際から離れてイスに座り込んだ時、その図書室の扉は開かれた。





「あれ、なっちゃん、1人?」



うわ、でた⋯って思った。




この学校で、私のことを「なっちゃん」って呼ぶのは、こいつしかいないから。




「あいつは?毎日、一緒に帰ってんでしょ?」



そんなヒカルは、やけに親しげに私の横のイスに座り込んだ。




「普通科はあと1時間授業あるから!」



少し怒り気味に言うと、「そういえばなっちゃん、特進だっけ? 意外に頭いーよね」って、また馬鹿にした事を言ってくる。

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