やるべきこと

第80話

「そなたが結か?」




私は声する方を見上げた。




厳つい顔をした老人。



白髪頭のわりには年が若そうにも見えなくは、ない。




「はい…………」




「結。あのお方が私たち一族の頂点に立つ長よ。ちなみにあなたのおじいちゃんでもある」



「ちなみに見た目は怖いけど孫の私たちには甘々なのよ」




香月さんが余計な入れ知恵をしたのか、おじいさんは横目で睨んでいる。



怖い。とにかく怖すぎる。



あれのどこが甘々なのだろうか。




「怖く見えるのは無理ないね」



「そうねー。お父さんの場合は厳しいけど孫達が大好きってことかしら。お父さんの愛情の注ぎ方おかしいわよねー」




ポツリと父と母は本音をこぼす。

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