第59話

「あっ!海だ!」




地平線に広がる塩水。



これは私の世界でありうる、彼らの故郷に海があるらしい。




「潮の匂い…………」




いい匂い。



私の住む世界は春の気候だが、この世界は暑すぎるくらい。



気候は異なるらしい。



しかし、辺りを見渡しても誰ひとりいない。



はぐれたに違いないのだ。



今の場所がわからない限り、動きようがない。



変に動いても迷ってしまうだけ。



不思議な力を使える彼らに見つけ出してもらう他ない。




「へっ?アレ?あれれ?」




ズルズルと下に急降下し捻れた足を抗うことができず。




「きゃああああ!!!」

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