残虐な死

第14話

息が荒い。



まるで水の中にいるみたい。



足が鉛みたいに重くて思うようにいかない。



自分の足ではないみたい。



一刻も早く行かないとお母さんが死んでしまう!



図書館に荷物を置いたまま私は図書館を飛び出した。



校門でちーちゃんや彪斗とすれ違うが幼なじみと話している余裕がない。



しかし、彪斗に腕を掴まれ立ち止まるしかなかった。




「結。どうしたそんな急いで。顔色も悪いし、おばさんに迎えに来てもらった方がいいんじゃない?」




おばさん。



それはうちのお母さんを彪斗がそう呼んでいる。



お母さん。



今になってお母さんの喜怒哀楽が蘇る。




「早く行かなくちゃ」




私は彪斗の前でそんなことを口にした。




「は?」

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