第18話

「たっだいまー」




「おかえり〜……遅かったのね。」





マミーは、フリフリのエプロンを着て走って出迎えてきた。





うん、いつ見てもファンシー……歌いながら家事をする姿は某テーマパークのプリンセスそのもの。






「今日はカスタードレモンパイを作ったの。」そう言って焼きたてのパイを指さす。





「わー……おしいそー。食べたーい」と甘い香りに誘われてキッチンを見に行くと、「準備しておくから、手を洗ってきなさい」と言われ、手を洗いに行った。




まだ、パピーは帰ってきていないからマミーと私とトロロの2人と1匹。







「んー!美味しい。」サクサクのパイは絶品。





「ついこの間までももちゃんもよく来てたから、作りがいがあったのに……最近は寂しいわ〜」




ほ……本当にマミーは好きだなぁ……ももちゃんのこと。





「ももちゃん、甘いもの嫌いだけどマミーの作ったお菓子は好きだよね。」





「そーいうところも可愛いわよね。」






「可愛くないよ!……もう………出禁だもん。……ほんとーに大っ嫌い。」



怒りながらケーキを頬張るとマミーは笑った。






はぁ……予習でもしよ。こういう時は他のことを考えるのが1番。





「私勉強してくるからご飯の時間になったら教えて。」





「了解。今日は妃芽が好きなボルシチだから楽しみにしてて。」



鼻歌を歌い始めるマミー。





私……ボルシチ好きなんて……言ったことないけど……てゆうか食べたことないよ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る