第91話

自分でも何が起きてるのか分からなかった。


ただわかるのは昂は悪い方向に変貌してしまったということ。



「起きろよ!!」



横たわった私の髪を乱暴に掴む。



「いっ、痛い!!昂離して!!」



痛いと言っても離してくれなかった。


それ以前に昂は楽しそうに笑った。



昂…………



「痛いのは俺の方だ。こんな風に痛めつけられたんだ。こんな風にな!!」



頬を打たれテーブルの角に頭をぶつけた。



「………っ」



痛いっ……なんで突然こんな。



「冗談でも別れるって言ったら許さないからな!?」



怖い。昂が怖い。私はどうしたらいいの?


私は昂から逃げられない。


見えない手錠で繋がれてるようで。



「俺には愛未しかいないんだ…」



きつく私をだきしめた。

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