PM3時

第20話

カラン____



とあるBARの扉の鈴が鳴り響く。




「あ、こっちこっち」


「陵。久しぶり」


「紘(ヒロ)も久しぶり。いつぶりだっけ?」


「忘れた」



マスターにはいつものやつを頼んだ。


乾杯とグラスを当て合う。



「久しぶりの東京は?」


「人混みうざい」


「まあな」



注文したウォッカをひと口。



「結婚したんだっけ。おめでとう」


「サンキュー。そういうお前は?」


「んー、別居中」


「まじかよ」



左手の薬指は彼と対照的に鈍い輝きだった。



「参ったよ」


「………」


「陵。聞いてます?」


「聞いてる。瑠奈のやつお節介だから親友に絶対来いって言ってたぞ。来ないと許さないって」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る