第9話

「一ノ瀬さん?どう?」


「皆川さんがそこまで言うならやってみます」



ハアと諦めたように気持ちが折れた。



「まあ、一ノ瀬さんが心配するようなことはないよ」


「と、いいますと?」


「彼、大阪の支社から赴任なんだけど、敏腕だと聞いてるよ。仕事としてはむしろ教える必要ないかもしれないしね」



それ、教育する必要ないのでは??


私の立場必要なくない??



「君と歳も近い様だし気も合うはずさ」



はずって憶測でしょう?



やると言ったからにはやるけど……



「わかりました」


「話は以上だよ。お疲れ様」


「お疲れ様です」

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