第60話
ぴったり2時間後、リビングの扉を開けた。
キッチンからはとてもいい匂いがする。
奈央は私が入ってきた事に気づき、ちらりと視線をこちらに向けた。
キッチンにいる奈央は、どうやら何かを炒めているらしい。
やっぱり料理を作っているのは奈央なんだ。
「何作ってるの?」
「....生姜焼き。まだ出来てないから座ってて」
生姜焼き?
そんなの作れるの?
私でも作ったことないのに。
「何か手伝おうか?」
「いい、テレビでも見とけば?」
テレビ?
そう言われて、ソファの前にあるテレビに目を向けた。
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