第51話

それは奈央の手で、

奈央は「時間ねぇんだろ」と、小夜子さんに向かって冷たくそう言うと、まだ話の途中の私を引きずるように家の中へと入っていく。



「ちょ、ちょっと奈央っ」



慌てた小夜子さんに頭を下げる。

小夜子さんも大人の笑顔で、小さく頭を下げてきた。




勢いよくしまる玄関の扉。

いきなり家の中に連れ込まれ、意味が分からなくて呆然とする私に、



「....悪い」



と、奈央が謝ってくる。


がっちり掴まれた腕を離され、靴をぬぎ、リビングの方へと足を進める奈央。

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