第18話

面会は8時までだから、私はギリギリまで病室にいた。




家に帰れば、玄関にお兄ちゃんの靴があった。

リビングに入ればソファに寝転がっているお兄ちゃんがいて、「おかえりー、晩飯なに〜?」と聞いてくる。



「パスタでいい?」



鞄をイスの上に置き、制服のリボンを外す。

机の上にはお兄ちゃんが食べたであろう焼き飯が乗っていたお皿がそのまま置いてあった。




「何味?」


「トマト」


「明太子ねぇの?」


「あるけど·····」


「じゃあそれで」


「お兄ちゃん、お皿水につけておいてよ。固まったら取れにくいんだよ」


「悪い悪い」



本当に悪いと思っているのか。


手を洗い、パスタを茹でている間に、自身の制服を着替え、洗濯物を取り込んだ。

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