××

第1話

「面接って言っても、ただ正直に答えてくれさえすればいいだけだから」



目の前にいる、サングラスをかけスーツを着た男性がとある用紙を見て口を開いている。


そのサングラスは何か。

もしかすると、俺に顔を見られてはいけないからなのか。まあ、あんな〝イカれた世界〟のスタッフなんだし。当然かと、ふと思う。

どうせならマスクもして、声も変えればいいのに。中途半端な変装に、少しだけイラッとした。


イラッとしたのは、それだけじゃない。

同じ歳ぐらいなのに、やけに命令口調だったからだ。



「家族は知ってる?」



知ってる?

何を?

ここに来たことを?

それとも、



「さあ、あんま、家族と関わってなかったんで」


「じゃあ知らない、っと。歳は?」


「…19」


「高卒?」


「それ、前にアンケートした時、同じ質問に答えましたけど」


「一応ね。高卒?」


「……そうです」




サングラスの男は次々に、質問していく。

ここに来る前の日常生活をやけに聞いてくるサングラスの男は、「…──じゃあ、最後に」と、紙から俺の方へと目を向けた。




「君の異常性癖、君の口から教えて」

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