第90話
そこに映されていたのは、知らない番号だった。
登録されていない番号。
そんな番号が鳴るのは、私とっては珍しくて。
最近番号を教えたことのある人いたかな、と、
それを考えて思い出したのは良で。
もしかして良だろうか?
そう思って、受話器のボタンを押し、電話に出た。
『あー、真希ちゃん?』
だけど、電話の先の人は良ではなくて。
今更、連絡先を教えた時に良の番号も私のスマホに登録した事を思い出した。
『もしもし?真希ちゃんだろ』
「···どうして、番号を···」
『んなの、5分でわかるっつーの』
そう言って笑う男は、間違いなく、晃貴の声だった。
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