第80話
でも、心のどこかで助かったという気持ちがあった。
護衛というモノがあったら、晃貴はもう関わってこれないと思ったから。
「お前、電車?」
二人と別れてから、
イヤイヤ私と口を聞いてるみたいな表情をする良。
お姉ちゃんは高校まで歩きだから、電車通学の私はどうしても2人と別れてしまう。
「···うん」
同い年の良。
敬語はいらないだろう。
この人が、護衛をする人。
多分、聖くんの入っている暴走族のメンバーなのだろう。
暴走族···。
そう思えば納得できるような気がした。
黒髪だけれど、西高の制服だし、どう見ても私とは違う人種。いつでも喧嘩をしてそうな、悪そうな人。
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