第44話
泣かない?
何言ってるの
こんなことしてっ···
泣くよりも、逃げ出すことに精一杯だった。
「帰してくれるって言ったのに!」
「帰してやるよ」
「こんなことっ···!!関係ないって言ったのに」
「誰が言ったんだよ」
「誰がって、徹って人が···!!」
「馬鹿じゃねぇの」
「なっ」
私の方は見ず、携帯を操作している晃貴。
「この中だったらな、俺が一番なんだよ」
上の人間。
「俺が言うことは絶対だ」
スマホの操作を辞め、
爽やかな笑顔を向ける晃貴。
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