第35話

「名前は?」


「ふざけんなよ、関係ないやつは巻き込むなよ」


「関係あるだろ、女の妹だ。なあ、名前教えろよ」


「離してやれ、怖がってる」


「はあ?怖がってんの?感動な出会いで震えてんじゃねぇの?」


「晃貴」


「顔見せろよ」


「いい加減にしろ」


「名前教えてくれたら離してやる」




分かった。


この人が、上の人間なのだと。




「···はあ、名前、教えてくれ」


呆れたように呟く徹。


そして、徹も、晃貴には逆らえないってことも、なんとなく分かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る