第20話

その声が響いた途端、ザワザワとしていた男達が、一斉に静かになるのが分かった。



「徹さん」



てつ?



現れた男は、有り得ないぐらい眉間にシワを寄せ、銀色に染められた短い髪をたたせ、これ以上見つめられたら石になってしまうんじゃないかってほど、氷のような目つきをしていて。



「なんだこの女」



徹さんと呼ばれた男は、捕まっている私のそばに来て、怖すぎる顔で私を見下ろしてきた。



「山本聖の女の妹です」



そう言ったのは、男が沢山いるせいで誰が言ってるのか分からない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る