第12話
助けてと叫ぼうか。
運がいいのか、駅の近くだからか人はたくさんいる。
だから助けてくれる人はいるかもしれない。
「なあ、聞いてんの」
でも、清光高校の生徒に絡まれている私を、助けてくれる勇気がある人がいるとは思えない。
みんな関わりたくないって思うはずだし。
「あいつマジで護衛に力かけてるしな」
「へえー、妹いたのか」
「妹拉致っちゃえば山本出てくんじゃね」
「ってかマジで妹?」
「女の方は拉致れねぇしな」
「ってことで、ちょっと来いよ」
いつの間にか、腕を掴んだいた手は、
私の肩に腕ごと回っていて。
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