第55話

「あたし―――⋯」


「遥」



必死に‘言い訳’をする私を、裕太は優しく見下ろす。



「好き?」



裕太の指が、私の頬をなぞってきて。



「嫌い?」



嫌いじゃない。

私は顔を横にふった。

嫌いだったら、こんな事しない。



「それとも、なんとも思ってない?」



その言葉に、私は否定出来なくて。



「分かるよ、俺と似てるから」


「え?」


「遥、俺が浮気しても動じないだろ?」



裕太が浮気をしても?

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