第53話

「俺がしたくて、遥は流されてるように見える。仕方なくしてる感じ」


「そんなこと⋯」


「んじゃ、今日は遥が上に乗ってくれる?」


「え?」


「したいって思うなら、できるだろ?」




上って⋯。

私が裕太に跨り、腰をふれと?



「⋯できないだろ?」



答えが出ない私に、裕太は悲しそうに呟く。



「好きなんだ⋯」


「え?」


「遥のこと。初めは遊んでやるって思ってたのに、ちゃんと付き合うって決めてからはマジで好きになっていった⋯。こんなの初めてなんだ⋯」



溜まり場へ連れていった彼女は、私が初めてと言っていた。

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