第51話

くちゅ⋯っと、いやらしい音が耳に入ってくる。裕太の舌が私の口内をいやらしく動き、深く深く、まるで何かを探しているようなキスをしてくる裕太は、スカートの中に入っている服の裾を引っ張り出し、地肌の私の背中に手を入れる。



私をベットに沈めた裕太は、ホックを外し、背中にあった手を前の方へと持ってくる。


キスをされながら胸に触れてくる裕太の首元に腕を回そうとした時、突然、動きをやめた裕太は胸をさわることをやめ服から手を抜くと、ベットに手を付き体を起こした。



なんで止めたか分からない私は、「どうしたの?」と、裕太に抱きつくはずだった空中で止まった腕を下ろし、裕太を見つめた。



「したくない?」


「⋯え?」


「遥、あんまり気持ちよさそうじゃないから」



そんな事ない⋯とは言えなかった。



「⋯どうしてそう思うの?」


「なんか、俺に合わせてる感じがする」



裕太に合わせてる?



「え⋯?」

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