第95話
公園で遊び疲れたのか、公園の駐車場、世那の車の中でぐっすり眠るルイとヒカル。
そんな世那は2人の事を見て、「可愛いね」と言ってきてくれて。それに嬉しい私は、「うん」と眠っているルイを抱え直した。
「会うのは、初めてだね」
そう世那が目を向けたのは、ヒカルを抱えている海吏だった。
「⋯やな」
海吏は小さく呟いた。
「⋯小早川、俺の事めっちゃ殴りたいやろ?」
「当たり前のこと言わないでくれるかな」
世那は小さく笑いながら、後部座席に座る私たちから目線をそらし、車の肘置きを使って頬杖をついた。
「けど、今は医者と、患者のその家族、っていう立場だからね。殴らないよ。⋯今は」
本当は今すぐ、海吏を殴りたいんだと思った。
世那からしてみれば、私を監禁し、イカれた実験に加わった人だから。
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