第33話
「か、かいきは、この場所、知ってるの」
「知らないよ。知ってたらすぐに来るよ」
「せ、なさん、だけ?」
「うん、全部、俺だけ」
「ぜん、ぶ?」
「雅から聞いたのも、俺だけ。東を潰したのも、瀬尾頼と関係を持っているのも俺だけ。魁輝や煌、璃久は⋯まだ、何も知らない」
何も知らない。
魁輝は私に2人、子供がいることを知らない。
ルイだけだと思ってる。
ううん、ルイさえ、生きてるか分からないんだ。
魁輝は何も知らないから。
「むり、なの」
「どうして?」
無理。
無理なの。
私は眠っているルイ達に目を向けた。
ぐっすりと、眠っているルイとヒカル。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます