第33話

「か、かいきは、この場所、知ってるの」


「知らないよ。知ってたらすぐに来るよ」


「せ、なさん、だけ?」


「うん、全部、俺だけ」


「ぜん、ぶ?」


「雅から聞いたのも、俺だけ。東を潰したのも、瀬尾頼と関係を持っているのも俺だけ。魁輝や煌、璃久は⋯まだ、何も知らない」




何も知らない。

魁輝は私に2人、子供がいることを知らない。

ルイだけだと思ってる。


ううん、ルイさえ、生きてるか分からないんだ。

魁輝は何も知らないから。



「むり、なの」


「どうして?」




無理。

無理なの。


私は眠っているルイ達に目を向けた。



ぐっすりと、眠っているルイとヒカル。

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