黒狼の秘密

第21話

――side律—―


総長からの潜入命令が来たから、蓮と一緒に爽から教えられたアジトに来たんだけど…。



「ねぇ、ここが本当に黒狼のアジトなの?」



「爽が言ったから間違いないとは思うんだが」



目の前に広がるのは、誰もいない古びた倉庫だけ。人が使っていた痕跡も見当たらないくらいだ。


爽の情報を疑いたくはないが、今回はどうも怪しい。



総長に連絡をする前に、一応倉庫の中も調べておくか。



「蓮、倉庫の中一応調べよ」



「だな」



黒狼にも総長室はあるはず。だからそこの痕跡さえ見つけられれば…。



ガチャ



背後の扉が開いた音がした。



蓮にしては珍しく調べ終わるの早いな。



「蓮、もう調べ終わっ……っ!!」



ドンッ!



振り向いた途端、誰かが僕の頭を殴った。



「だ…れだ」



「忠告は守らないとさ、こーなるんだよ」



そこで僕の意識はぱたりと途絶えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る