第19話

――凪side――



薫に任された仕事はこなさないとな。


喧嘩が起きる場所って大体予想がつくんだよなぁ。



「ねぇ、そこの君」



俺のことを呼び止めたのは、俺と同じくらいの年齢の男だった。



「なんですか」



「君って、闇來の幹部の一条凪だよね」



なんでこいつ…。俺が闇來の幹部だってわかるんだ。



「なんでって顔してるけど、少し忠告しに来たんだよ」



冷たいほほえみを俺に向けて、



「俺たち黒狼に近づくな」



耳元でそう呟くと、そのまま去って行った。



「おいっ、お前黒狼の…!」



気づいて止めようとしたときにはもう姿がなかった。



あいつの殺気からして幹部、もしくは………………

総長。

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