第39話
「なあ胡桃。こっち向いてよ」
「なによ………」
賢人があんまりしつこく髪に触るもんだから振り向いた。
思考停止。
すぐさきに賢人の顔がある。
至近距離ってもんじゃない。
私、賢人とキスしてる。
まるで、構えていたかのように賢人の瞼が閉じている。
賢人、睫毛長い………じゃなくて!!
賢人を押し倒した。
賢人は思考停止。
「…………」
まるで私が悪いみたいに何も喋らない。
「な、何すんのよ!!」
「いや……だって」
予想外の返答。
だってって子供が口にする言葉。
「そこに胡桃がいたからつい」
ついって何!!意味わからない!!
私はあんたに対する気持ちを押し殺してあんたを慰めて優しい幼馴染を演じてあげた。
賢人、美耶が好きなんじゃないの?
だからあんなに泣いてたんでしょ?
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