第21話

「訴えられるのはあなたの方だと思いますよ?警察に突き出されたくなかったらここから消えてください」



ニッコリ笑顔を浮かべた青年を見た酔っぱらいの男は顔を青ざめ逃げて行った。



何とか助かったみたい。



ホ………じゃなくて!お礼言わなくちゃ!



「あのっ、助けていただいてありがとうございました!すっごく助かりました!」


「顔、上げてみ?」



ん??


急にタメ口に違和感。



「まさかとは思ってたけど……やっぱり胡桃だよな?」



私のこと知ってる人?


聞き覚えのある声。


まさか…………



「やっぱり胡桃だ!まさかこんなとこで会うなんて思ってなかった!何年ぶりだ?」



忘れるはずがない。



「賢人…………」



彼は正真正銘私の幼馴染 蓮沼 賢人。(はすぬま けんと)


私がずっと好きで好きで仕方なかった人。

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