「先輩!!今日は付き合って下さいね！」

「もちろんよ」

私と成美は昔ながらの赤提灯のある居酒屋に入った。

「成美、オシャレなお店じゃなくていいの？可愛いワンピースが汚れたらどうするの？」

成美のことだからてっきりオシャレなフレンチやイタリアンな店を選ぶとばかり思っていた。

可愛い格好してるから。

私は居酒屋大好き人間だから全然構わないんだけど。

「服のことなら気にしないでください」

「え？」

「初めてのデートの時にあのクソ浮気野郎な元カレがプレゼントしてきた服なんです」

そんな大事な服なのに何が大丈夫なのだろう。

成美の意図がわからない。

「こんな服汚してやりますから」

あ、そういうこと……。

静かに成美の背中を見守っていた。

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