第5章

第10話

ギターを爪弾いて歌っていた百合沢先輩が演奏を止め、私と目が合った…。


その瞬間、私の前世の記憶が走馬灯の様に蘇る…。


「リブラン…百合沢先輩は、リブラン…なの…?」


「…エトワール様…いいえ、天河 星羅さん…私を思い出してくれたのですか…?」


「うん…」


「ずっと、お会いしとうございました…」


今にも涙が零れてしまいそうな、喉の奥から絞り出される彼の声…。


「今まで思い出せなくてごめんね…」



私達は、涙をポロポロ流しながら、優しい抱擁を交わした…。


それは温かく、とても慈愛に満ちていた。

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