第112話
とにかくこの野獣の群れから連れ出さないと。
俺は辺りを見回して、睨みつける。
ギラギラとした瞳を琥珀ちゃんに向けていた野獣達は『ヒィ』と声を漏らす。
ホントに油断も好きもないね?
こんな調子で、4月に琥珀ちゃんが入学して来たら、どうなるんだよ。
俺の頭に過ぎる嫌な予感。
ここで、彼女を守れるのは俺だけしかいないし。
今から、色んな策を練っておかないといけないな。
はぁ・・・と小さく息を漏らしてから、琥珀ちゃんに視線を向ける。
「さぁ、行こうか?」
ニコッと笑って琥珀ちゃんに手を差し出せば、周りの女の子達から『キャー』と歓声が上がる。
マジで疲れる。
だから、女の子は苦手だ。
香水臭い子達は、集団になると手に負えなくなる。
知らず知らずのうちに眉間にシワが寄る。
「大丈夫?総司君。」
心配そうに俺を見上げる琥珀ちゃん。
彼女は昔から人の気持ちに敏感なんだ。
出会った頃より大人びて見えるも、琥珀ちゃんはやっぱり人形みたいに可愛くて、思わず抱きしめたい衝動に駆られる。
俺が琥珀ちゃんに抱くのは、恋愛の好きとかそう言うんじゃなくて、なんて言うかな?
家族愛的な?
そりゃ初めの頃は恋愛感情が無かったと言えば嘘になるけどね?
六織の傍で微笑む彼女を見てるうちに、抱く気持ちが変化した。
琥珀ちゃんは六織の隣が一番似合ってるんだ。
その気持ちは、2人が離れてしまった今も同じだ。
俺には確信がある。
いつかきっと2人は再び出会うと・・・・。
「ありがと。大丈夫だよ。行こうか?」
安心させる様に琥珀ちゃんの手を掴む。
「うん、間に合わなくなっちゃうしね?」
俺の手を握り返して、意味深に笑う琥珀ちゃん。
無自覚な小悪魔が顔を出した気がした。
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