第80話

私は首を傾げながらも、差し出された手を掴んで握手した。




「私は坂谷美香です。よろしく。」




「美香って、可愛い名前だね。」




彼の口調から、女慣れしてるのが分かる。








「俺の事は猛って読んでね、俺も美香って呼ぶね?」



えっ?いきなり呼び捨て?





あぁ~まじっすか?







キョトンとした顔で、猛を見てると、





「ん?俺の顔に何かついてる?」



とさらに顔を近づけられた。






「ち・・・近いって・・・。」



焦って体を引いた私。






恋愛初心者でもないのに、どうしてこんなにドキドキするのよ!






ホント、私らしくない。






心臓がありえないほど、脈打ってるんですけど?






「フフフ・・・美香って可愛い。」



「・・・・・。」




イエイエ・・・貴方の方が可愛いですけど?







そこでなんとなく途絶えた会話・・・・。






微妙~な空気を壊したのは甲高い声と、ドアの開く音だった。




【バンッ】




「猛、あんた女連れ込んでっるんだって!」




甲高い声とと共に現れたのは、髪の長い大人っぽいスーツ姿の女性。





こう言うのを時が停まるって言うんだと思う。





私はピクリとも動けずに、入り口に仁王立ちする彼女に視線を釘づけられた。






うわ~修羅場?





彼女さんだったら、申し訳ないなぁ~。



なんて考えてると、また声が聞こえた。






「やっだぁ~超美人なんだけどぉ~。利里香里瑠々見てごらん。」




スーツ姿の女性が、自分の後ろに声を掛けると、小学生ぐらいの双子ちゃんが、ヒョコッと顔を覗かせた。






いや~ん超可愛いんだけどぉ。





私は目をしばたたかせて双子ちゃんを見る。





「「ホントだぁ。きれ~い。」」



さすが双子、ハモッたじゃん。





「あぁ~お前らうっせぇ!!出てけよ!」




さっきまで隣で固まってた猛がドアまで行って、3人を追い出そうとする。





はて・・・この4人はどんな関係でしょうか?





『ギャーギャー』わめく3人と、なぜか焦ってる猛。




首を傾げながら、4人の様子を見ていると、



「美香、煩くてごめんな?こいつら、姉ちゃんと妹なんだよ。」



って眉を下げて謝って来た。

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