第90話

蛍がどうして、私に土下座してるか分からない。



「俺⋯、あん、中に⋯いた⋯」



蛍の言っていることが理解できなかった。


あの中?

あの中って何⋯?



「ごめん⋯!!」


「やめて⋯」


「悪かった⋯!!!」


「―――っ、やめてよ!!!」



今の、状況が、理解出来ない。



さっき、蛍はなんて言った?


あの中に、いた?


思い出すのは、闇に溶け込むような色の、大きな車。何人か分からない男達。




何言ってるの?


ふざけてるの?


私を笑かそうとしているの?





その時、ベットの上に置いたままの蛍のスマホが、ピコンと音を鳴らしながら画面が明るくなり。



また、2回目のピコンという音がなり。



戸惑いながら⋯そのスマホに視線を向けた⋯。




私は、その画面を見て、目を見開くのが分かった。

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