第14話

「今日来たのはね。黒野寛也って人から封書が来て、結衣ちゃんにも見てもらいたいし、青の珠が近くにある方がいいかなとも思ったの。差出人はよくわからないからクロノス関連かなって、、」

「そっか少しは頼ってくれる様になって良かった。私も見るの?」

「見て欲しいかな。」

「分かった。九瑠璃は取り敢えず洗い物してて」

「また除け者ですか、、」

「聞きながらやる練習よ。」

「分かった。封書だから読んでくれるんだよね?留姫空ちゃんよろしく」

「じゃあ読むね。桜木留姫空(おうぎるきあ)さん初めまして、私は黒野寛也(くろのひろや)と申します。貴方が御影に会いたいというのは聞いています。私個人として、また御影本人の御意向でその話を進ませて頂けたらと思っています。突然この様な形で連絡をして困惑したことでしょう。更に突然ですが私には意識不明の娘がいます。彼女の意識が戻るのが当時の一番の望みで、その為にクロノスに関わり続けました。彼女はこの間意識を取り戻しました。名前は分からず、男性の様な喋り口になっていました。奇妙かと思われたでしょう。そう私は失敗をしたのかも知れません。何を失敗かどうかは長くなるので此処では触れないでおきます。坂木に理由を聞きたい所ですが、今在る結衣さんには八つ当たりになることでしょう。あくまで私は彼女がまた動いている姿を見れれば問題なかったのかもしれません。しかし意図しない事が起きてはいけないので連絡をさせて頂きました。可能なら今週末金曜日留姫空さんの授業が終わってから会う予定で、予定合わせを行えたらと思っています。同行者も制限しません。留姫空さんが来やすい様にして頂ければと思っています。来週の金曜日であれば場所も時間もあなた方に合わせます。よろしくお願いします」

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