第10話
「里理(さとり)ちゃんじゃないか!」
「相変わらずわざとらしいわね。私から声を掛けたかったわー。アンドレアス」
「君も大人になったね。石川とは呼ばないじゃないか」
「私まで矢面に立たされるのはごめんよ。。アンタはもう引退なのかしら?トップも少し気が狂ってるわね」
「日本語でももうEU圏内だぞ。お前はまだ任務があるんだろ。やれる事をしっかりやれよ。俺は老後を優雅に過ごさせてもらうよ」
「お子さんにはもう会わないの?頼めば不可能ではないんじゃない?」
「与えられるモノ以上は求めないよ。子供はもう巣立ってもいるし、もし俺がけしかけたらアイツらを巻き込む事にもなる。これで良いんだよ」
「自己犠牲ですか。。組織に長く居るとそうなるのかな?嫌になるわ」
「それが大人の人生の締め方だと思うぞ。男はそういうのを身近で感じてくることが多いから免疫があるのかもな」
「免疫じゃ駄目なんじゃない?本でも出すつもりなの?その割には言葉を操れてないわね」
「ぐうの音も出んな。女に口喧嘩を仕掛けるんじゃなかった」
「喧嘩だったんだ。私ももっと意地張れば良かったわね」
「これ以上はご勘弁頂きたいよ。君が優秀なのはよく分かってる」
「御影については貴方はどれくらい知ってるの?警察に居たからには調べたんでしょ?此処の共有は組織は望んだんじゃない?もっと突っ込むなら塩田元基は私たちと関係あるの?」
「塩田は俺とは繋がってない。名前も聞かされなかった。そうだな。御影か。。それと繋がるかわからんが、黒野寛也という男が俺は今気になっている。まぁこれからは無いんだが。。。その男は坂木結衣の祖母の知人ながらクロノスが関わってそうな経歴だ。お前も日本に帰らないだろうに何故聞いたか知らんが、生きろよ」
「心配までありがとう。部下には何か言葉は残してきたの?私の任務に疑問が無いようね。何か知ってるんでしょ?」
「それもこれも俺が教えて良い事はないだろ?」
「まぁそうね。引き分けにしときましょ。貴方のお陰で空の旅は退屈しなかったわ」
「そうか。それは良かった。俺が負けてるだけだがな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます