第3話

チャラララ~!



昼休みの屋上に響く着信音。






「颯真、鳴ってますよ。」



コンクリートに寝転んでる俺を揺り起こす拓夢。





「あ?・・・おう。」



目の上に乗せていた腕を退けて、薄目を開けた。




ゆっくりと上半身を起こして、ズボンのポケットで震えるそれを取り出した。






画面を見て、思わず緩んだ口元にすかさず突っ込みを入れるのは、広夢。



「あっ!姫だろ?」



人を指差すな。



つ~か、指先に生クリームついてるってんだよ。






だいたい、姫から電話なんて滅多にないんだから、喜ぶのはしかたねぇだろ?






ま、俺も単純な男に成り下がったとは思うけどな?





「煩い。」



女からの貢ぎ物らしいシュークリームを食べる広夢を一瞥して、画面をタップした。

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