第13話

全ての始まりは、一枚の写真だった。

中学二年の多感な時期に、私は真実を知ることになった。

イギリスの祖母のお屋敷に、母と二人身を寄せていた。

祖父は二年前に亡くなった。


父は産まれた時から知らない。

母に聞いたのは、私が幼い頃に父と別れた事だけ。

祖母は、父をとても毛嫌いしていて。

だから、私もあまり父の存在を良く思っていなかった。

だって、私は祖母と祖父にとても可愛がられて育ってきたから。


私に沢山の愛情を注いでくれた祖父母が嫌う人なら、とんでもない男だったんじゃないかと思ってたんだ。


あの頃はなにも知らないお子さまで。

目先の事にしか考えられていなかった。

本当、今思えばバカだったと反省する。



祖母は家はイギリスでも名士。

伯爵の地位にあり、財力もそこそこあった。

だから、幼い頃からそれなりに裕福な生活をさせて貰っていた。

そんな私が偶然見つけた一枚の写真が、私達の歯車を回し始めたんだ。

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