第10話

アリスは、どんな思いで再びこの地に降り立ったのだろうか?

それを考えるだけで胸が痛くなる。

だけど、今度こそは守ってみせるよ?

私はもうあの頃の幼い私じゃないから。


アリスの横顔に決意を誓う。

あの頃の様に、貴女を傷付けさせたりしない。

アリス、今もあの頃も、私は貴女が大好きだよ。

ブロンドの髪に、薄いブラウンの瞳の異国のお人形の様な女の子。

それが私がアリスを初めて見た時の印象。


高校受験のあの日、隣の席になったアリスを一目で好きになった。

もちろん、私はレズではないが。

元々可愛いモノが好きな私は、お人形の様なアリスを気に入ってしまったんだ。


無償で守ってあげたくなる様なアリスは、本当は心も喧嘩も強い女の子だった。

そのギャップが、なんとも言えないほど良い。


思いきって話しかけた私は、見た目からは想像も出来ないほど、彼女がさばさばとした性格で男前だと知る。

あの日から、アリスは私にかかせない親友となった。

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