第61話

「えっ?飼っちゃ駄目なの?」




ガッカリ顔のイズミを見ながら溜め息をつく。




「まさか、虎が飼いてぇなんて言うんじゃねぇだろうな?」




「まさか、違うよ。

もうっ祐樹。いくらなんでも虎が飼えるわけないじゃん」




鼻で笑いながら馬鹿だな~と言うイズミ を引っ張って上から抑え込む。




「…誰が馬鹿だって?」




顎を捕まえて指で頬を摘む。




「痛い痛い…っ!」




指を離してやると、不機嫌そうに頬を撫でていた。

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