第20話

昔した恋は、



9年経っても色褪せることなく、私はずっとそれに捕らわれるのだと思っていた。



¨彼¨を忘れることも、嫌うことも出来ずに――



――だからと言って、会うことも、ともに生きていくことも出来ず。



どうしょうもない気持ちを持て余し。



でも、



修一さんといると、体から力を抜くことが出来た。



忘れたくても忘れられない記憶に、初めて自分が疲れ切っていたことに気が付いた。

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