第23話

銀行の仕事を楽しいとは思わないが、嫌いではない。




パソコンに数字を打ち込みながら、安らかな気持ちで仕事をこなしていく。




能力者である七瀬は、複雑で天使にも悪魔にもなる人間の相手をするよりは、数字の相手をしていた方が楽だと思っていた。




数字は何も訴えてこないし、ゼロはあくまでゼロ。




そんなことを考えながら仕事をしていると、壁にかけてある時計が6時を指し、勤務時間は終わりを告げた。




長時間座っていた椅子から立ち上がり固まった体をほぐすために伸びをする。




ボキボキと鳴る関節に眉を顰めながら着替えをするために更衣室に向かった。

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